何故かこの男が私の隣に来たため急遽話題を作らないといけなくなった。
やっていたゲームだってクリアせずに止めてポケットへとそれをしまう。
「あー、あれは先週で終わりですよ」
『本当に1週間で終わりなんだ』
「先輩も中々のもんですよ。付き合ってた男たちってカッコいい人たちだったし」
嫌味…嫌味だ。
こんな整った顔をして、あんな優しそうな顔をするくせに本性はこんななのか。
整ったその顔を睨んでやると「可愛い顔が台無し」と微笑まれた。
何この子…不覚にもドキリとしたじゃんか。
なるほど、こうやって女の子を落として幸せな気持ちにさせるんだね。
私はドキリとはしたけど落ちるほどじゃなかった。
いや、多分私が異常なんだろうなと思いながら「お世辞有り難う」と返しておいた。