そこに目をやれば制服姿の彼がいた。
いや制服じゃないと学校に来ないでしょ、馬鹿か私は。
別に彼がこちらに近づいてくるからといって声を掛けるわけでもなく、掛けようとも思わないし彼も私を視界の端っこに入れたぐらいで声を掛けてくるわけでもないらしい。
私も関わろうとあまり思わないのでこのまま私の前を通り過ぎて_______…
「相楽沙夜………先輩」
『は…?』
突然のことで思っている以上に間抜けな顔をしていると思う。
そんな私の顔に対して笑ったのか何なのか分からないけど鼻でフッと笑った北条誠人。
てか、こいつ今゛先輩゛を言い忘れて付け足してたよね?
なんなの、無性にイラつく。
「寝坊ですか?」
『まぁ、そうだね』
特にあんたに興味ない、というような返事をする。
興味ないと言えば嘘になるんだけどね。
『あんた先週の3年生の人は?』