条件を破るとあんたが相手をしてくれなくなるって分かってるからよ。だから皆悲しい顔して別れるの、と溜め息とともに吐かれた。



私はコレを理解するのに少しだけ時間がかかった。




「好きな人に相手にされない悲しさって分かる?」




今の私にはとても理解しがたいことだけど…




『それはとても辛いことなんだってことは、分かる…』




私は…今まで酷いことをしてきてたんだって思ったら悲しくて苦しくなった。


本当、最低な女だ。




「そうやって相手の気持ちを考えて悲しくなったり苦しくなれるんだったらもう少し優しくなりなさい」


『うん』


「あんたは冷たすぎる」


『……』





私は黙ることしかできなかった。


まだ中身が入っている弁当箱だけどこれ以上食べれる気がしなかったので私はそっと蓋をした。


もう食べないの?と問われ気分が悪いからもういいと返して弁当箱をピンクのハンカチで包んで席を立った。