それって…この前私が思ったようなことと似てる。
やっぱりそうなんだ。
彼女たちにとって彼と付き合うのはとてもいい夢を見させてもらった、という夢を見させてくれる男、いわゆる理想の彼氏みたいなもの。
私には…そんなこととてもできない。
どうやって夢を見させるっていうのよ。
『……っ』
「沙夜?大丈夫…?」
私の顔色が良くなかったようで、心配そうに顔を覗き込んできたユカ。
そんなユカに私は訊こうと思った。
いい答えが返ってくるとは思わない、けど訊きたかった。
『あいつと私はどう違うんだろ?』
「え…?」
『私と付き合ったり遊んだ人達は苦しい、悲しい顔をして別れる。なのにあいつと付き合った子達は幸せな顔をして別れる。この差は、なに…』
私は頭を抱えて俯いた。
そんな私に溜め息を吐いて馬鹿だね、と言ってきた。
「あんたと付き合ったりする奴は好きになるわけないと思って条件を呑む、だけど好きになってはいけないという条件を破ってしまい別れる」