朝言ってたこと忘れたのこいつ?なんてイラッときた気がしたけどそんな感情なんか無視して「お腹すいた」と欲を優先させた。
お昼を済ますため学食へと向かう。
私は持ち弁だから先に席を取ってユカが来るのを待っていると、
『あ…』
ある人物がふと目に入り声が漏れた。
そこへちょうどラーメンを持って帰ってきたユカが私の視線を追って「あー…」と声を漏らした。
「北条誠人」
そう、私たちの席と数個離れたところに北条誠人と3年生の女子が仲良くお昼を済ましている途中だった。
私が目を離せないのは彼じゃなくて彼女の方、彼女は成績優秀で顔もよくスタイルもいい。
何というかお嬢様って感じの子なのに、あぁいう彼と遊ぶんだな、と思った。
『意外だなぁ』
「彼女が、でしょ?あんたの考えてることは大体分かるよ。でもあの先輩は遊びじゃないかもしれない。1週間だけど一生懸命に付き合ってるかもしれないんだよ」
そう言われズキンと胸が痛くなった。
『そうだよね…ごめん』
物事を私と同じように考えちゃいけないんだ。