午後。

 取引先の挨拶回りから戻ると三浦部長に呼びつけられた。

 彼のデスクは窓際にあり青空の先に小さなスカイツリーが見える。外はとても良い天気なのに私の心はどんよりと曇っていた。

 私、また何かやらかしちゃったかな?

 これといった心当たりもなく頭に疑問符を並べながら三浦部長の表情をうかがう。

 やはり怒っているらしく顔が赤い。

 というかこれはかなり怒ってる?

「大野」

 しかめ面で睨まれ私はびくりとする。何もしてないはずなのだけど、もしかしたら自分でもわからないうちにミスっていたのかもしれない。

 無意識のうちに手に汗をかいていた。