「大野」

 三浦部長が私の目をじっと見つめてくる。

 その顔は少し赤らんでいた。そうだよね、やっぱりコーヒーが暑かったんだよねと私は妙に納得してしまう。

 彼はごくりと喉を鳴らしてから言った。

「付き合ってくれ」
「いいですよ」

 私は即答した。

 彼がびっくりしたように目を見張る。身を乗り出して彼は訊いてきた。

「いいのか? おい、本当に付き合ってくれるのか?」
「はい」

 そんなに驚くことだろうかと私は訝りながらうなずく。

 次はどこへ行くのかな。

 まあ、どちらにせよ仕事だと思えばいい訳だし。

 けど、退屈なところだったら嫌だなぁ。