「伊月、元気か?」

「勇大の方こそ」

「俺は元気だよ。この通り」

「それは何より」



照りつける太陽。

景色に透けて映る伊月の姿。


自販機に飲み物を買いに行った実和の後ろ姿を眺める伊月の横顔は、3年前と何も変わっていない。



「まさか本当に見えてたのは勇大のだったなんて」

「霊感強いんだよ、昔から」



伊月が死んでからずっと、俺には伊月が見えていた。


ずっと泣いてる実和の側にいたよな、お前は。



「実和、泣かなくなったね」

「お前のおかげだよ」

「………そっか」



寂しそうに笑う伊月に、胸が苦しくなる。






「だからさ、伊月」

「ん?」

「もう実和のこと心配してないで、生まれ変わって会いにこいよ」



透明なまま会うのは、俺だってもう嫌なんだ。



「…………勇大」

「ん?」





「生まれ変わった僕に実和を取られないように、さっさと告白しとけよ」




伊月の笑顔はいつだって眩しかった。









「うるせーよ」









早くお前に逢いたいと、思った。