「伊月、遅くなってごめんね」



伊月が死んで三年。

私はようやく、伊月のお墓に来れた。



受け入れるには、どうしても時間が欲しかったの。


伊月のお墓は綺麗な花が添えられていて、おばさんがよく手入れしているのがすぐにわかった。



この中に伊月が眠ってるなんて、やっぱりまだ信じがたくて。


だけど、いくら私が信じられなくても、それが現実なんだってこと、この三年間でちゃんと理解した。



だから、私は手を合わせて目を閉じる。



あのね、伊月。

私、伊月に言いたいことがあってきたの。


伊月が透明人間になってるうちには言えなかったこと。