「さっきはごめん」




幼なじみの勇大が気まずそうに謝った。

その声がひどく重たくて嫌だった。



「もう勇大も、伊月が見えなくなっちゃったんだね」

「……………」



私の言葉に口を閉ざす勇大に、胸がギュッと苦しくなる。






花宮伊月は、間違いなくこの世界に存在していた。



私と勇大と伊月は幼馴染みで、小学校から高校までずっとずっと一緒だった。








クラスでもみんなから好かれる人気者。


そんな伊月が1ヶ月前、透明人間となったのだ。



これは夢のような現実の話で、嘘のような真実(ほんと)の話。