このままだと森に当たってしまう。
だが、受け身を取る余裕もなく、わたしは目をつぶって痛みを待つほかなかった。
しかし一向に痛みはやって来なくて、不思議に思ったわたしは目を開けた。
「まただ……!」
また光に包まれてる。
淡い黄色の半透明な光に包まれたわたしは地面に近づくと、減速していき無事に着地できた。
もしかしたら、ちゃんと着地できるような仕組みがあるのかもしれない。
そう思っていると、光が段々と消えていった。
「これってなんだろう……?」
先日のユキがいう魔法なのかもしれない。
だけど、わたしに魔法を使える力など持っていない。
ユキに会ったら聞いてみるのが賢明だろう。
自問自答していき、納得するところまでたどり着くと、手持ち無沙汰なことに違和感を感じた。
「……あれ、お菓子!?」
正体はお菓子だった。わたし、光の中に入る時は確かに手に持ってたのに……!
せっかくお返しをしたかったのに……。