時計を確認すると、翌日の朝だった。
わたし、帰ってこれた……?
「随分寝たのね。学校遅刻するわよー」
とりあえずリビングにいる両親のもとへ行き、学校があるのを思い出す。
色々頭を抱えることが起きたが、元気なのに休むわけにもいかないから、学校に行くことにした。
***
「雛乃、ここんとこずっとボーッとしてるけど、なんか珍しくない? 大丈夫?」
「大丈夫……うん、大丈夫」
「なに、怖いんだけど」
──1年3組の教室。
わたしは自分の席で、現状を受け入れようと必死に空っぽの脳みそを働かせようと必死だ。
そんなわたしの前には、中学からの友達である、月影 柚子がしかめ面して立っている。
「人には言えない秘密が1つや2つあるんですよーだ!」
「いや知らんがな。あんた本当にどうしたの? 脳筋に何か支障をきたした?」
「なんか柚子失礼すぎない?」
柚子が毒舌というか、態度が大きいのはいつものことだけど、さすがに脳筋と言われたらグサッとくるぞ。
せめてオブラートに包んでくれ、柚子さんよ。