全てが落ち着いた後、わたしに一目散に駆け寄ったのは柚子だった。


『迅さんがなんでこんなことになってるの!?』


週刊誌を机の上にバンっと置いた柚子に苦笑いしか返すことができない。


柚子もお兄ちゃんの異母兄妹だと知った今、確かにお兄ちゃんと面影が重なる。

雰囲気が調和していると思ったのはこういうことだったのかと納得してしまった。


『今日、わたしの家に来て。全部話すから。あと……柚子が傷ついちゃう話だから覚悟してほしい』


柚子にも全てを打ち明ける義務があると思ったので、わたしは彼女を家に呼んだ。

お兄ちゃんも同じことを思っていたみたいで、柚子に真実を告げることに賛同した。


『本当にごめんなさい』


頭を下げたお兄ちゃんを見た柚子はやはり相当ショックなようで、固まったまま涙をポロリとこぼした。


好きな人と半分血が繋がっていると知ったら……どんな気持ちなんだろう。


いくら想像しても柚子と同じ気持ちを味わえないし、わからないので友達としてどう接しようか真剣に悩んだ。


『雛乃は知ってたの……?』

『わたしもつい最近知ったの……ごめんね……』

『……あんたは何も悪くないけど……仕事増やすから』

『えっ』


柚子は柚子のままだけど、空元気だった。