「ベニア・エドナデアティビ」
完全にノリだった。
ただ、ここでも使えたらなっていう僅かな期待だけはあった。
すると、目の前に眩しいほどの閃光が広がった。
なんで……? どういうこと?
呪文を唱えたら、トラオムへ行ける光が現れた。
もしかして、ここでも魔法が使えるの?
わたしはあの時の光も自分で生み出せることを知ってしまった。
魔法は現実世界でも使える。
だったらどこからが夢なの?
トラオムが現実の世界だとしたら?
夢じゃないとしたら、翌日の朝ベッドの上で目が覚めるのはなんで……?
もし、現実だったら。
ユキとアランとユラハはどこかにいるっていうことなの……?
わからない。頭も良くないし、トラオムがここに存在している理論も何もかもわからない。
核心に触れる前触れのようで恐ろしくなった。