トモくんが家まで送ってくれたので感謝を伝えた後、わたしはすぐに部屋に入る。


寝不足も解消してないけどマシになったし……ユキに会いたい。

トモくんには申し訳ないけど、この気持ちは誤魔化せないのだ。


ちゃんと自分のことを相手に伝えられなくて、後悔が募る。自己嫌悪に浸る。

この状態はトモくんにとっても、わたしにとってもよくないこと。


わたしが白黒はっきりさせないと。

夢を見るか、現実を見るか。


この決断は今すぐできない。

どうしたらいいかもわからない。


だからトモくんが待ってくれると言ってくれてとても助かった。


「今日はないのか……」


夜遅い時間だったからか、庭にあの光がなかった。

わたしがトラオムに通うようになってから、毎日毎日現れるあの光。トラオムへの扉。


逆に良かったかも。トモくんにも見られなくて済んだし。

しかしユキに会いたいわたしは寂しいなと素直に感じてしまい、トラオムに行きたいという欲が収まらない。