前までは睡眠不足にならないように1週間に2回ぐらいにしていたのだが、今はほぼ毎日だ。
だから最近授業で眠ることが多くなっていて、先生にも柚子にも心配されている始末だった。
「あんた、最近寝過ぎじゃない? 体調悪いんだったら、さっさと保健室行けば?」
「……いや、大丈夫」
原因は完全たる個人の都合だ。
休みたいのは山々だけど、保健室のベッドに数が限られている。
わたしよりも体調悪い人だっていくらでもいるし、眠いだけで休むのはなんだかサボっているような感覚がして後ろめたい。
「無理しないでよ。雛乃には文化祭で仕事を頼みたいんだから」
「仕事はちゃんとするよ! 任せといて!」
「……あんま信用できないけど、まあいいや。雛乃、明日頼みたい仕事あるから万全に休んで図書委員会に貢献なさい」
そんなこと言う柚子だけど心配しているの知ってる。
彼女のためにも今日はトラオムに行くのを辞めると決めた。
──もし今日でトラオムが最後だったら?
……決めたはずだが、懸念が降りかかってきた。
トラオムは夢なのだから、いつか終わると思うといてもたってもいられなかった。