トラオムに通い始めてからもう半年が過ぎ。
紅葉も落葉して本格的に涼しい秋を迎えていた。
「……の、雛乃! もう授業終わってるわよ!」
「……!」
夢と現を彷徨っていたら、わたしは柚子の声で現へと引き戻された。
……やばい。めっちゃ眠い。
眼を無理矢理開いて、起きようと頭を働かせようとするがボーッとしててうまくいかない。
わたしは睡眠不足で悩んでいた。
理由は簡単。
学校終わって、トラオムへ行って、気づいたら翌日の朝。
そこからまた学校……というサイクルを繰り返している。
つまりわたしはここのところちゃんと休めてないのだ。
トラオムでしかユキに会えない。
ユキを好きになった今、わたしはもっとユキに会いたいって想いをどんどんと募らせている。
会うたびに好きだって心が叫んで、もっとそばにいたいって思えるようになった。