「ねえ、見て見て! いくよー!」


わたしは高らかな声をあげて、みんなの視線を惹きつけた。


「ベニア・エドナデアティビ!」


花火のように夜空に舞い上がり、光が弾けた。

その光は蛍のように、星のように散りばめられていく。


「一気に明るくなったね」

「さすがは光の魔法使いだぜ!」


それは時折、満天の星のような。

それは時折、ほたる祭りのような。

わたしは息を呑むほどの絶景を披露する。


「綺麗だな……」

「でしょ? 魔法の練習した甲斐があったってもんよ!」


ユキは「だな」と短く返して、もう一度光を見上げた。

その横顔がとても儚く見えてしまい、わたしは脳内に焼きつけようとずっとユキを眺めていた。





꙳✧

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