雲ひとつなく、どこまでも澄んだ青空が広がっている。
また空から急降下して、無事にたどり着いた。
──今日は、建国記念のパーティーだ。
わたしはアランからドレスを借りて、セットアップの予定である。
「よっ、ヒナノ! 早くやろーぜ!」
「わ……! すっごい綺麗!」
「ありがとな」
アランが紫のドレスを身にまとっていた。
いつもは綺麗な赤い髪を後ろで結わんでいるだけなのだが、今日はハーフアップにされている。
しかも、薄化粧までしてるからさらに美しさが進化している。
「アランって器用なんだね。ハーフアップって難しくないの?」
「これはユラハがやったんだよ。私が器用なわけねーだろ?」
「え、ユラハが? すごっ!」
料理までできて、ヘアアレンジができるとか……女子力の域を超えてるぞ。
わたしなんかまず三つ編みすらまともにできるか不安なのに……ユラハにコツ聞いてみよ。