「……ふぅ」 すると深呼吸を一回して、男性から感じる気配が一気に張り詰めたものに変わる。 「汝のレーヴを借りて紅の剣となす」 左手の指先で剣に触れると、纏っていた炎がさらに激しくなった。 そして、人間では考えられない速さでドラゴンに立ち向かっていく。 「クレアツィオ・イッヒ・ゼルプスト!」 ──まるで、どこかの映画のワンシーンを切り取って見ているような気分だった。 ꙳✧ ˖° ⌖