テストも赤点がなかったので無事に終了した。
わたしはそれから度々、放課後家に帰ってから
この世界に足を運ぶ。
「まずは自分で光をコントロールすることから始めよう」
「はい、ユキ先生」
「……、一回光出してみて」
ここに来るたびに空から落っこちるのだが、光がわたしを包んでくれることがわかったので、安心してトラオムに行けるようになった。
まあ、そんなこんなで魔法の特訓をしているわけだが……
「アンフェンガーリン!」
わたしはユキから借りた魔法指南書の呪文通りに、両手で念を送り光を出そうと導く。
しかし、わずかな光が一瞬見えもののすぐに消えてしまった。
「まただ……もう何回目なの……」
「この間までは光すら出せなかったんだから進歩してる。大丈夫」
「そうだよね……! そうだよ! めげてちゃできるものもできなくなっちゃうもんね!」
わたしはユキに励まされ、気持ちを奮い立たせた。