どうしてこんなところにいるの、わたし。
泣きたくても怒りたくても、原点に返るとその一言に尽きた。
「グウォーっ」
今目の前にあるものが……ドラゴンで間違いなければ、どうしてドラゴンがいるのだろうか。
ここは異世界だと言われたら納得いくが、わたしはれっきとした地球人。
こんなこと、起きるわけがないのだ。
ドラゴンって、ファンタジーな夢でいっぱい溢れているはずなのに
こんなにも大きいものなんだと知れば、恐怖を抱いてしまうのは当たり前のことで。
「(お兄ちゃんのバカ、アホ……っ)」
ただひとつ分かることは、これは全てお兄ちゃんのせいだということだけ。
そして目の前の巨大な生き物と目があった時、わたしは悟ってしまった。
──わたしはここで一生を終えてしまうんじゃ……?