「まぁ〜…いるって言ったらいるかなぁ。ビミョー!!」


「うまくいってないんですか?」


「うまくいってたらホストなんか行かないでしょ。」



確かにそうかもしれないと思う。

うまくいってたら、他の男に目もくれないね。



「彼氏いるくせにキャバ嬢で、しかもホスト通って…最低だと思った?」


「いえ、別に…。」


「良いんだよ、アタシは最低なんだから。」


マスカラを塗り直す手を休め、夏華さんは淋しそうに言った。



「よし!行こう!遊姫ちゃん、もう準備オッケー?」


「はい。」



さっきまでの悲しい顔は、もう無くなって、一瞬にしていつも通りの夏華さんに戻っている。


切り替えの早い人だな…


アタシも見習わなきゃ。