久しぶりに、心地よく眠ったと思う。
隣に彼がいて、腕枕までしてくれたのだから。
…だけど。
目覚めた時には彼は、もう居なくて、一気に寂しさが押し寄せる。
そうだ…。
アタシたちは付き合ってなんかいないんだった。
余りにも温かすぎて、勘違いしそうだった。
所詮、アタシはキャバ嬢。
彼はホスト。
急いで携帯を開いて、確認してみる。
でも、メールが来ていたが、客からのものだった。
「はぁ…」
ため息がでる。
“枕営業”
そんな嫌な言葉が頭をよぎる。
リョウマくんは、アタシを抱いている間、可愛いとは言ってくれたけど、好きだとは言ってくれなかった。
それは、変えられない事実だ。