いつもの……。
発作を軽く見ているわけじゃない。
それでもいつもの発作という言葉には、どこか安心してしまう。いつもと同じなら大丈夫だろうって。
ほっ、と安堵の息を吐いたとき
「でも──」
伏し目がちに続けたおばさんの言葉に、心臓がドクンッと大きな音を立てた。
「そろそろ、本格的な入院を考えたほうがいいかもしれないの」
「えっ……それって……」
「……3月くらいまでかしらね、学校には通わせられるのは」
「……っ」
俺は、てのひらをきつく握り締めた。
「今すぐって話じゃないから。これからも、莉緒と仲良くしてやってね」
そんなの当たり前だ。
そう言いたいのに、声がでない。
無理に笑うおばさんの顔が、痛々しかった。