「...ほんでね、死ねるって思った瞬間君の顔が浮かんで、その顔を見て私は、死んじゃいけないって思った。それで自分に死ぬなって祈ってたら、結果この通り、死なんかったんよ!」

私は両手を広げてみせた。

「すごくない?」

そう聞いたが、彼女はいつのまにか俯いていて、表情は見えないし、返事も返ってこない。しかも、手が微かに震えている。

「...どうしたん?」

急な変わりように戸惑っていると、

「なんで...」
「...?」
「なんで祈ったの...?」
「え...?」

言っている意味がよくわからない。なぜ祈ったか?それは、死んではならないと思ったからだが、それがどうかしたのだろうか。

「私のために...私のためだけに生きようと思ったの!?死んだ方がこの苦しみから逃れられるのに...!!」