あ、そうや。

「今日な、あの男に殺されそうになったんよ」
「え!?大丈夫だったの!?」
「今こうしてここにおるんやから、ダイジョブに決まっとうやろ?」
「あ、そ、そっか」

この子は優しいから、案の定心配してくれた。

「う〜ん...」
「ん、どしたん?」
「いや、その"ホウゲン"っていうの?まだちょっと違和感あるんだよね〜...」

"ホウゲン"とは、個性を持っている者の特徴の一つとして挙げられる、特徴的な言葉使いのことである。
ホウゲンを持っているタマシイはあまりおらず、ホウゲンが出ていると、すぐにそいつが個性持ちのタマシイだとわかる。

「えっ、もしかして嫌やった?」
「全然!それが君の個性だし!」
「...個性か...」
「...そんな気にすることないよ。個性が欲しくて生まれてきたわけじゃないんだし、私は個性あったほうが特別な感じがして良いと思うよ!」
「.....うん、ありがとう」

彼女がする全ての行動、言葉が、私にとってとても嬉しいものだった。それは、彼女も同じであってほしいな。