私は本田くんに後ろから抱き締められていた。

 このまま二人で抜け出さないかと誘われたとき、今度こそ彼とのロマンスが始まるのではないかと期待したものだ。

 でも、そうはならなかった。

 私たちは菊池さんと加藤くんに捕まりそのままカラオケボックスへと連行された。

 加藤くんはともかく菊池さんはもしかすると邪魔に入ったのかもしれない。だとすればやはり菊池さんは厄介な存在と言えた。