それから1週間が過ぎ、ドア越しの吸血を始めて2週間が経った。

その頃には、既に学校は冬休みに突入。

年末年始以外は、毎日彼女の家に通った。


だけど、対面はまだ難しく……新年の挨拶もドア越しで済ませた。


そして迎えた、始業式の日の朝。



「千冬、風花、おはよう」


「お、潤。おはよ」

「おはよう……」



登校中に見つけて駆け寄るも、俺の顔を見た途端、千冬の陰に隠れてしまった。

放課後も、ちょうど校門を出るところを呼びかけたら、朝と同じように急いで隠れてしまって。


ほんの少しでも顔を見れたから、ひとまず安心したけれど……そんなあからさまに逃げられたら心が痛いよ。



授業が再開し、先月と同じスタイルで吸血も再開。

外では逃げられてしまっても、ドア越しで会話はできるので、とりあえずホッとしている。



しかし──日が進むにつれて、風花は自分よりも千冬と一緒にいたほうがいいのではないかと思い始めた。