“鼻血が出るほど見とれてました的な?”

“あまりにも美しすぎてドキドキしちゃったかんじ?”

“あああ近寄らないでください! 綺麗な服が汚れちゃいます!”



お互い一言も発さず動画を観賞する。

再生している動画は、去年、菫が送ってきたクリスマスパーティーの動画。



「これ、1年以上前のやつですよね。なんで黙ってたんですか?」

「……言うタイミングを逃しちゃって」



約2年前、透瑠くんと再会した時に、隼が私に言っていたことと同じことを口にした。



「タイミングって……1年以上もありましたよね? 本当に言う気あったんですか?」



そうだよね。
隼よりもはるかに私のほうが時間あったのにね。



「……ごめんなさい」



まさか数年後、自分が言った言葉で責められることになるなんて……。

恥ずかしい。というより、情けない。



「…………許さない」

「ご、ごめ……ひっ!」



耳元で低い声が聞こえたと思いきや、再び彼の手が私の脇腹を擦り始めた。



「1年以上も黙ってた罰です」

「ご、ごめんって、ふっ……や、やめ……アハハーッ!」