「あ! 懐かし~! うさぎのメイドくんだ~!」

「うわぁ……めっちゃみんなにいじられたの思い出した……」



写真を見ながら思い出に浸る。

3年生になってから、勉強や進路決めで忙しくなり、登下校以外で顔を合わせる機会があまりなかった。

でも、唯一夏祭りには行けたんだよね。



「あれ? これいつ撮ったの?」



夏祭りの写真を見ていると、透瑠くんがアイスを食べている自分自身の写真を指さした。



「あー……アイスに夢中になってる時にこっそりと」

「か、隠し撮り⁉」

「ごめん! 音鳴ったの聞こえてなかった?」

「ざわざわしてたから全然」



恥ずかしそうに顔を覆った透瑠くん。


それもそのはず。
この後、アイスを浴衣にガッツリこぼして、大慌てでトイレに洗いに行ったんだよね。

洗った後も、ほんのりと抹茶の匂いがしてたなぁ~。



「あ、これも知らない写真……って、俺だけ半目になってる……」



今度は半目で写っている自分の写真を苦笑いしながら見ている。

バッチリ撮れたかと思ったんだけど、撮り方が下手だったのか、半目に加えて少しぶれている。
それで送れなかったんだよね。