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「どうですか? 思い出しましたか?」

「あぁ~、智恵理とどんぐりの背比べしてたのは思い出した」



どんぐりの背比べ……。

確かにそうだけど、なんかその言い方トゲがあるなぁ。



「だから身長気にしてたんだ」

「はい。結局1年以内には抜けませんでしたけど、今はもうチビじゃないですよ」



彼女の手を取って一緒に立ち上がり、優しくポンポンと頭を撫でる。

実は、先月の身体測定で、去年より3センチ伸びて173センチになっていた。



「これで当時と同じ、10センチ差ですね!」

「……ここ、学校だからあまりベタベタしないで」

「あ、すみません」



冷静なトーンで、頭を撫でている俺の手を取って下ろした清花さん。

ここ学校だったの忘れてた。



「頭撫でられるのはあまり好きじゃないですか?」

「他の人なら嫌だけど、透瑠くんならいいかな」

「え! マジで⁉」



それって、俺だけ特別ってこと……⁉



「あ、髪型が崩れるから頭に何もつけてない時なら……って、何笑ってんの」

「俺も清花さんになら、永遠に頭撫でられたいな」