『本当気をつけて? 青石さん、めちゃめちゃ心配してたんだから』

『すみません……でも、水分は取ってました』

『水分だけじゃなくて、塩分も取らないとダメなの!』



マジか、めちゃめちゃ水飲んでた。

あ、だからスポーツ飲料がこの季節によく売れてるのか。



『1人で帰れそう? お姉さん呼ぼうか?』

『いえ、大丈夫です。教室に戻ります』



ゆっくりベッドから下りて立ち上がった瞬間、急にドアが勢い良く開いた。



『失礼します! 透瑠くんいますか⁉』



そこには、息を切らした清花さんと姉の姿が。

ここまで走ってきたのか、額には汗が伝っている。



『透瑠! もう大丈夫なの⁉』

『あぁ……うん』



腕にサポーターをつけた姉が心配そうに口を開いた。

また増えてね……? こないだは片方だけだったのに。
練習の鬼とはいえ、あまり無理しないほしい。