視線が合うことわずか2秒。

口を開く間もなく、唇を塞がれた。



「ちょっ、何して……」



唇が離れると、透瑠くんは肩に顔を埋めて抱きしめてきた。

わ、熱っ。

さっき抱きしめられた時と比べ物にならないくらい熱い。



「ねぇ、体熱いよ?」

「わかってる」

「あと、今まで見たことがないくらい、顔真っ赤になってるよ」

「それもわかってる」

「……可愛いね」

「……うるさい」



キツい言い方とは対称的に、ギューッと抱きしめる力が強くなった。

照れ隠しか。可愛いなぁ。



「……何してるんですか」

「ん? さっきのお返し」



頭に手を置いて優しくポンポンと撫でる。

さっきよりも強く抱きしめられながら、唇の感触を思い出す。


柔らかかった……。
以前、頬にされたから感触は知ってたけど……もう1回したい。



「ねぇ、もう1回……ダメ?」

「っ……!」



挑発的におねだりしたものの、バッと体を離されてしまった。

あ、あれ? もしかして嫌だった……?



「ごめん、変なこと言って」

「いや……すみません。これ以上近づいてたら、心臓がもたないので、ちょっと休んできます」

「ええっ⁉」