「ら、……。高坂さんには、俺みたいなやつより、兄貴みたいな人の方がいい」


あまりにも相手を想った返答に、なにも言えなくなった。


別れる時まで、相手のことを考える奴がいるのか?


ほんと、好きすぎるだろ。


この2人は、今も両想いだ。


間違いなく、自分自身が、お互いが思ってるより好き同士だ。


首に冷たい感覚があって、顔をあげると白い雪が降り出していた。


「それ、いつか蘭ちゃんに伝えてやれよ」


雪を見ながらそう言った。