〜桜玖side〜


目の前に、見たことないくらい元気のない蓮がいる。


なんとなく、蓮を公園で待ってた。


いつもなら、先に帰るくせに。


中庭で柊兄ちゃんと蘭ちゃんを見たとき、
蓮は今までに見たことないくらい思い詰めた顔をしてた。


『蓮、蘭ちゃんのこと、信じろよ』


屋上で食べると言い出した蓮にそう言った。


本人は、聞いてたのか聞いてなかったのか、なにも言わずに行ってしまった。


『屋上で蘭と話すから、先帰ってて』


そう言った蓮に俺は待ってるって言った。


なんとなく、嫌な予感がしたから。


案の定、見たことのない蓮が目の前にいる。


「別れた」


一言、蓮はそう言った。


ケンカぐらいだと思ってたのに、そんなことになるとは。


「なんで」