選んだのは、白のニットワンピースにキャラメル色のコート。


「うん、じゃあ着て」


なのちゃんが後ろを向いて、ポーチやヘアアイロンの準備を始めた。


私が着替え終わると、なのちゃんはこっちを向く。


「なのちゃん、これ、付けたい」


差し出したのは、上原くんからもらった髪飾り。


「うん。任せといて!」


なのちゃんの頼れる言葉に任せて、私はされるがまま。


薄くメイクをしてもらって、髪はヘアアイロンで巻いてもらった。


2人で出した服を片付けて、小さめのリュックを背負って、スニーカーを履いて、家を出た。


「じゃあ、楽しんできてね」


「ありが、とう」


なのちゃんにお礼を言って、私は指定された学校前の公園に向かった。


公園に入ると、白い息を吐きながらベンチに座って、スマホを見てる男の子がいた。