妻をベッドに残して、息子を再び抱きあげてリビングへ移動する。

いつものように、朝食の準備をした。


妻の体調がいい時には妻が昼食や夕食を作ってくれる。
朝はだいたい俺が作るようにしている。

妻が治療を頑張っているぶん、俺もいろいろと病気に関して知識をつけた。

体を温める食材やたんぱく質の摂取量、ほかにも体にいいとされる食材をふんだんに使ってお味噌汁をつくる。

だしも、鰹節を削るところからこだわってつくっている。

毎朝の食事には俺の愛情をかなり注ぎ込んで作っている。

「おはよう」
「おはよう」
そうこうしているうちに、すでに起きていた親父が部屋からリビングに来る。