2人でいる日々はかけがえなくて、愛おしくて、何より楽しかった。
旅行まではないけれど、日帰りで海を見に行ったりさ。行き当たりばったりな生活の中で、タイミングよく水族館、展望台、夜景を見ながらレストランで食事。
また来たいね。なんて約束を交わして。

ずっと脆かった。
あなたが見ているのは私と似ても似つかない、元彼女だったね。

苦しくて、悔しくて。惨めだった。
もう2人で居られないと覚悟を決めてさ、
別れを告げたのが1度目だったね。


両手で掬った水はどれだけ気をつけたって隙間からこぼれ落ちてゆく。残った1滴2滴を口に含んで、私は心を満たすのだ。

記憶の中の笑顔を辿って、
あなたに何度も期待をした。
重圧になっていることなんて、とうの昔に気づいていたくせに。