そんないっくんが昔からだいすき。

そんないっくんだから、だいすき。



「すごく、うれしかったんだぁ……」



頬を赤く染める姫野先輩。

そういうことだ。


姫野先輩もそういうことなんだ。


胸がぎゅっとくるしくなる。




「私ね、胡桃ちゃんみたいになりたい。はじめは小さくてふわふわしててかわいいって憧れだったけど、それだけじゃなくて胡桃ちゃんみたいに芯の強いまっすぐな女の子に」



……うれしくない。

本人はそんな気じゃなくても、わたしにとっては宣戦布告されたようなもんだ。



いっくんが好きだって、言葉にはしてないけど言われたようなもんだ。



わたしみたいになりたい?

変わってあげるよ。


変わってよ。



わたしは、姫野先輩になりたいよ。


いっくんの……好きな人になりたいよ……。