帰ってすぐにシャワーを浴びて、部屋着でビーズクッションに体を預けながら雑誌を見る。
姫野先輩、手強いなぁ……。
いっくんは姫野先輩のどこがいいんだろう。
姫野先輩に対して嫌悪感しかなかったけど、まずは敵を知ることからだよね。
そんなことを考えながら雑誌をめくっていくと、すらっとした身長が高い艶のある黒髪ボブのモデルがいて思わず手を止める。
特徴が姫野先輩と同じで頭に思い浮かぶ。
「なにがいいんだろう……」
見た目?
いっくんは清楚で大人っぽい人が好きなの?
地毛が茶色だけど、黒に染めてみようかな。
肩下まである髪をボブにしようかな。
身長は低くはないけど、姫野先輩くらいに高いほうがいいのかな?
それは努力でどうにかなる問題ではないけど。
うーん……。
「……くるちゃん、ちょっといい?」
「えっ!?」