赤すぎる胡桃の、声にならない声に小さく吹き出す。

もっと意識しろよ。


いままでどんだけ俺が胡桃のこと想ってきたと思ってんだ。


胡桃も俺と同じくらいになってもらわねぇと。

ずっと俺のことだけ考えてればいいんだよ。


かき乱されて俺ばっかになればいいんだ。



「……わたしのこと、大好きじゃん」

「そうだよ」

「っ、もう廉じゃないみたい……」


即答で肯定すれば、眉毛を下げて俺から視線を外す。


「いや?」

「……いやじゃない。うれしい、けど」

「けど?」

「もっと、ゆっくりがいい」

「ゆっくりって?」


胡桃の腰を抱き寄せる。

至近距離で視線が絡まり、胡桃のドキドキが俺にまで伝わってきた。


たぶん、余裕ぶってる俺のドキドキも胡桃に伝わってる。



「デートしたい」

「デート?」

「うん。休みの日に1日デートしよう」