視界いっぱいに廉で、唇にはやわらかいぬくもり。

廉の気持ちが伝わってくる。


ドキドキしすぎて、もう廉のことしか考えられない。

目の前の廉だけしか感じられない。



離れていくぬくもりに寂しさをおぼえて、廉を見つめる。



「……やばいって」

「え?」

「その顔、やばい。そそる」

「、んっ」


目を合わせてそれだけ言うと、今度は強く重なる。

息ができなくなるのは、キスのせいか、うるさすぎる心音のせいか。


恥ずかしいという気持ちはいつのまにかなくなり、それ以上に廉から伝わる熱でいっぱいになった。

ふたりの息遣いだけ響く部屋で、おたがいのぬくもりに酔いしれる。


ぜったいに秘密だけど……ずっとこうしてたいなって、ちょっとだけ思った。




「はぁ……まじでやばい」


ゆっくりと離れた廉がわたしの肩に頭を乗せる。

無意識にずっと握っていた廉のシャツから手を離して、頭をぽんぽんとした。