なんだ。
廉も一緒じゃん。
わたしと一緒じゃん。
正直、恥ずかしいのほうがいまは勝ってる。
ずっと幼なじみだった廉と付き合うなんてありえないはずだった。
いっくんを超える気持ちを、廉に抱くなんて想像もしてなかった。
「……好きって、言って」
「……好きだ」
「……うん、わたしも」
「……胡桃。キスしたい」
すでに何回かしたよ。
不意打ちでしてきてたよ。
なのに、そんなおあずけされた子犬みたいに見てくるんだ。
廉はずるいよ。
いつもわけわかんなくて強引で、空気読めないし、いじわるばっかりなのに、まっすぐに想いをぶつけるなんて。
こんな廉、知らなかったよ。
わたししか、知らない廉だよね。
顔が熱い。
ぜったい真っ赤だ。
今日何度も指摘された。
でも、いまがいちばん赤いと思う。
視線を落として廉から目を逸らし、ゆっくりと首を縦に動かした。
その瞬間、顔を上げさせられて重なる唇。