「でも、結婚できちゃうんだよ。すでに家族みたいなもので、近い存在なのに、結婚できちゃう……」

「なぁ、胡桃。ヤキモチやいてる?」

「っ、」

「もう、はっきり言えよ」



真剣な瞳。

いじわるでもなく、茶化してるわけでもなく、廉の大まじめ。


あぁもうドキドキうるさい。

こんなにうるさいの、知らない。





「胡桃、俺のこと好きだろ?」



そんなこと……。

たしかにいっくんへの気持ちはもう過去だってはっきり言える。

廉でいっぱいなのもたしか。


でも、それって、そんな。




「胡桃」



だって廉は大切な幼なじみ。

いじわるばっかできらいだった。


だれよりもわたしのこと考えてくれて優しいってことも気づいたけど……。




「素直になれよ」


どうして廉はそんな自信満々なの。

胸がいっぱいになって、涙腺がじわっと緩む。




「泣いても引かねぇよ。答えるまで離さない」