奈子ちゃんが廉を押さえる。
うん、わかるよ。
わたしでもそうする。
意地でも止める。
やっぱり同じだね。
奈子ちゃんとわたしは同じだよ。
廉の手から自分の手を抜き取る。
奈子ちゃんの気持ちもわかるから。
いまわたしは、前の自分と同じ気持ちに触れてくるしく感じてるの?
……なくもない。
そうじゃないと言い切れない。
だけど、そうだとも言い切れない。
こういうとき、こんな気持ちになってるとき、いつも廉がそばにいてくれた。
……約束はどこにいったの。
いろんな感情がぶつかって限界。
こんなことなら、かほちんと一緒に打ち上げに参加すればよかった。
こんな気持ちになるんなら、昔のままのほうがよかった。
廉は、廉だけには……わたしのいちばんそばにいてくれなきゃいや、なんて。
そんなこと思うようになっているわたしなんか、どっかいっちゃえ。