気をつかって笑顔で受け入れてくれるかほちんに、わたしも笑顔で頷く。

今日は廉と約束してる。

ふたりで帰るって。


いままでならきっと、廉の誘いなんて乗らないし、廉も誘ってこなかった。


お互い、変わったのはいつからだろうね。



「れーんー!なんでだよ、行こうよー。お前がいないと始まんねぇよ」

「無理」

「来てよー。みんな廉と話したいって」

「無理。しつこい」

「れーんー!!」

「まじしつこい。無理。じゃあな」

「廉……」


容赦なくすがる町田くんを突き放した廉がわたしに向かって歩いてくる。

ちょっとだけ、町田くんがかわいそうに思える。



「帰んぞ」

「あ、えっと、打ち上げ参加する?」

「は?」

「せっかくだし、こういう機会じゃなきゃ……」

「俺は今日、いまから、胡桃と約束したんだけど」

「それは、そうだけど、帰るのはいつでも……」

「約束破んの?」