いっくんばかり追いかけていたから、その名残なのか寂しさもあるけど、それ以上に強い感情が芽生えている。
いつからかなんてわからない。
でも、ずっといたから。
わたしのそばに、わたしの中に。
「ありがとう、いっくん」
「こちらこそありがとう。くるちゃん」
いっくんに名前を呼ばれるのが好きだった。
いっくんの笑顔が好きだった。
いっくんのすべてが、好きだった。
いっくんの特別な女の子にはなれなかったけど、本気だからこそたくさん泣いたけど、いま笑顔でいられる。
廉のせいだよ。
こんな他愛のない話みたいに、いっくんへ想いを伝えるなんて思ってなかった。
こんなふうに、終わりを迎えることになるなんて思ってなかった。
モヤモヤは晴れた。
ぜんぶ………廉のおかげだよ。