世界一の幸せ者です!




ー翌朝ー



「ん…朝か…」



「おはよ、羅糸ちゃん。」



「お、はよう」



支恩に寝顔見られた……。寝てる時どんな顔してるかわかんないのに!



「ちょっと水飲んでくる…」



恥ずかしくなって逃げる。あと単純に喉がからから。



ってあれ、立てない。



「あれ、羅糸ちゃん、立てない?」



「う…ん…」



「じゃあ、俺がお姫様抱っこで運ばなきゃね。」



えええええええええ!



「恥ずかしい…から…やだ…。」



「じゃあ、シャツ1枚の格好で四足歩行する?俺、襲っちゃうけど。」



「っ//」



「はいはい、言うこと聞いてお姫様抱っこされててくださいな。」



「分かりました…。」



【その日、立てるようになるまで、支恩にずっとお世話され続けた羅糸であった…】



今日はこの間生まれた優羅兄と紗英さんの赤ちゃんを見に行く。



名前はまだ聞いてない。女の子って言ってた気がする!!



ピンポーン



《はーい。ちょっとまってね。》



「支恩も羅糸ちゃんも久しぶり!さ、入って!」



「お邪魔します!」
「お邪魔しまーす」



「おお、羅糸に支恩!よくきたな!」



と言いながら優羅兄が支恩に抱きつこうとする。



けれど、支恩はいつものようにかわす。



この2人は面白い。



「はい、羅糸ちゃん。工堂紗羅(さら)ちゃんです!」



そう言われて、抱っこする。



やっぱりこんなに小さいのに生きてるのが不思議だ。



「名前、そのままとっただけなんだね笑」



「そうなのよ(笑)。ゆー君が決めれないっていうから、こうしよう!ってなったの(笑)」



「優羅兄らしいね(笑)」




支恩は、まだ優羅兄とじゃれてる。



「支恩〜?」



「どうしたの、羅糸ちゃん」



「外で羅糸ちゃんはやめて!恥ずかしい!」



小さい声で支恩に言った。



「2人仲良しなんだな。俺の可愛い妹泣かせるなよ。」



「分かってる。」



支恩はもう優羅兄にタメ口だ。これも面白い(笑)



「ほら、支恩も抱っこしたら?」



「そうだな。ってこの赤ちゃん姉貴そっくりじゃん。このつり目とかとくに。」



「おい、支恩、死にたい?」



「ごめんて」



仲良しだな〜。



「「お邪魔しました〜」」



最近、姪と甥ができて、胸がいっぱいだ。とても嬉しい気持ちで溢れる。



「俺らもいつか楽しい家族作ろうな。」



支恩……。



「うん!!支恩大好き〜!」



「俺も、大好き。」



そう言って抱きしめられる。



「絶対に幸せにする。」



「うん。当たり前でしょ!」



「だな(笑)」



「うん!!」



私はとても幸せ者です!




ー6年後ー



私と支恩、麗ちゃんに空くんが無事に大学を卒業し、それぞれの道を歩んでいる。



空くんは、もともと頭がとても良かったため大学を卒業して、そのままお父さんの会社の副社長をしている。



麗ちゃんは、ファッションブランドを立ち上げ、そこの社長をしながら、バライティーにも引っ張りだこなモデルさんだ。



支恩も、バライティーに引っ張りだこなモデルさんだ。それと、お父さんの会社を継ぐために勉強をしている。



そして私は、麗ちゃんが建てたファッションブランドでデザイナーとして働きながら、大好きなモデルのお仕事をしている。



そんな4人で、今日は集まる約束をしている。



支恩と麗ちゃんには、毎日会っているけど、空くんとに会うのは半年ぶりくらいだ。



だから、みんなで集まれるのをとても楽しみにしている。



私は支恩と一緒に4人の待ち合わせ場所に向かう。



そのため、今はおうちで準備をしている。



今日のコーデは白のシャツに黒のロングスカートをはいている。髪はポニーテールにした。



ガチャ



「俺の羅糸ちゃーーーん。ただいまあ〜」



そういって抱きしめてきたのは…。



そう、支恩です。



綺麗な黒髪にパーマをかけていて、大人の男の人って感じが前よりもっと増しました!



「お疲れ様です。支恩君。」



「頭なでなでして?」



「しょうがないなあ〜」



「今日いつものり可愛いね。羅糸ちゃん」



「だって、みんなで集まれるから…!」



「ずっと楽しみにしてたもんね。」



「うん!」



「じゃ、俺着替えてくる。」



「後もうちょっとだけ…ハグしてて?」



「しょうがないなあ〜」



「へへ。ありがと!」



「あ、羅糸ちゃん!」



そういったのはもちろん麗ちゃんで、横に空くんもいた。



「空くん、久しぶり!」



「おう、久しぶり。支恩もな。」



「おう。」



麗ちゃんは、短かかった髪を伸ばして今はロングです。



空くんは、元々コンタクトだったみたいなんだけど、最近眼鏡をかけ始めたみたい。



「じゃあ、行こっか!羅糸ちゃん♡」



麗ちゃんは、相変わらず私に甘々だ。



「そこのお2人さんもいくよ〜」



さすが麗ちゃん。みんなをまとめるのが得意だ。



お仕事の話は、もちろん。お互いの惚気話もしたし、高校の思い出話や、その前の話。とても有意義な時間だった。



それと、最近羅来兄の所に男の子が産まれたことも。



麗ちゃんは、甥と姪が大好きでよくおもちゃを買って行ってるみたい(笑)



支恩は、紗羅に求婚されたり。
支恩すごく私の顔気にして…(笑)
面白かったな。




夜が更けるまでお酒を飲んで沢山お話をした。



支恩は、お酒が少し強くなった。



お父さんの会食についていくために、練習を頑張ってたからね。



それでも、やっぱり酔っていた。ついでに麗ちゃんも(笑)



「空くん、今日はありがとね。麗ちゃんの事よろしく〜!」



「そっちも支恩よろしくなー。」



「じゃあね!また!」



「おう!」



「俺のプリンセス〜?誰と話してるの〜?」



「プリンセスって…!空くんだけど?」



「空かあ〜ばいばいそーらーー」



「はぁ……。はいはい、またな。」



そうして、お互いタクシーで家へ帰った。



家に着いてベッドに支恩をおろす。



「ねえ、羅糸?」



「ん?」



「俺、羅糸のこと一生大切にするね。」



「ん。ありがと。」



「羅糸、愛してるよ」



「うん。私も愛してる。」




ー更に2年後ー



今日は、羅糸と付き合って10年記念日だ。



早いことにもう10年もたっていた。



自分でも驚いている。



俺は、ずっと羅糸への愛が増している。



そんな羅糸に今日はプロポーズをする。



俺が、親父の会社の副社長になって仕事に慣れてきたらって思ってて、それが今だ。



喜んでくれますように。



今日は、お互い仕事があるから6時半に高級レストランの中で待ち合わせだ。



ちなみに今は6時で、もう俺は中で待っている。



「富崎支恩様のお席はこちらでございます。ごゆっくりどうぞ。」



あ、来た。



「支恩、お仕事、お疲れ様。」



「うん。羅糸もね。」



「今日ね、注文してくれてたお客さんのウエディングドレスの受け渡しで、最終調整の時に着てもらったんだけど、すごく綺麗だったんだ〜。」



「そうなの?そのお客さん、羅糸のドレス着れて幸せだね。」



「そうかな〜?喜んでくれてよかったな〜」




そうして俺たちはご飯を食べて店を出た。



「ねえ、支恩。あの観覧車乗らない?」



「いいね。久しぶり。」



「何年ぶりだろ?」



「んー、7年?」



「早いね〜もう、26歳の年だ〜。」



「ねえ、羅糸?」



「ん?」



「来年の誕生日も、再来年も10年後も20年後も30年後もそれからもずっと俺と一緒に歳をとっていきませんか?」



そういって指輪を出した。



「僕と、結婚してください。」