支恩が沢山食べてくれて、とても嬉しかった。
「あ、そうだ、プレゼント。2つあります。ひとつは誕生日で、ふたつめはホワイトデーです。どっちからにする?」
「じゃあ、ホワイトデー!」
「はい。」
「ぬいぐるみ?あ!あのUFOキャッチャーのペアのクマだ!かわいい!ありがとう!」
「はい、ふたつめ。」
えっとこれは…。
「ネックレス!!それにぺアだ!!支恩とお揃いだね!」
「そうだよ。」
支恩に貰ったネックレスには、お花の飾りがついていた。
このお花の名前はヒヤシンスと言うみたい。意味は…『あなたとなら幸せ』
私もだよ。支恩。
「ありがとう!!たいせつに…する…ね…」
あれ、なんか、涙出てきた…。
あ、幸せすぎて泣いてるんだ私。
「どうした!!!どっかぶつけたか?」
「んーん。幸せすぎて。泣けてきたみたい。」
「なーんだ。俺はこれからまだまだ羅糸のこと幸せにしちゃうよ〜。」
「なに?それ(笑)」
デートはできなかったけど、とても幸せな誕生日だった。
季節は4月になり、私は高校2年生になった。
今日は入学式が終わったあと1時から羅糸兄と八重ちゃんの結婚式がある。
はやく八重ちゃんのウエディングドレス姿が見たい。
入学式か…。
あれからもう1年。早いなあ〜
そういえば、あの日支恩に私の必死全力ダッシュを見られたんだよね(笑)
見られてたって気づいた時はすごく恥ずかしかったな〜。
入学式が終わり教室に戻る途中1年生に会った。
なぜ1年とわかったかと言うとローファーの横に着いている花がさくらんぼだったからだ。
ちなみに2年は桜で、3年は星と、1年で変わっていく。
〈あれって羅糸様だよね…本当にお姫様みたい……〉
〈隣は支恩様だよ!やっぱり王子様にしか見えない。〉
〈そのお隣は空様!!あのクールな感じがいいよねえ!〉
〈空様とくっ付いてるのってもしかして麗様じゃない!?噂と違って可愛らしいね!!〉
1年生なのに私たちのことを知ってるみたい。
それに…。
「ねえ、支恩、私たちは様付けされちゃってるよ……」
「多分、今更止めても意味無さそうだぞ。俺たちの周り皆が俺たちを様付けしてる。」
「はあ…。私そんなに様なんてつけられるような器じゃないのに…。」
「そんなに落ち込むな!」
「うん!そうだね!今日は羅来兄の結婚式だし!」
「ねえ、もうこんな時間だよHRなんか出てられない。」
空くんが私に時計を見せてきた。
【11時53分】
式場までは40分かかるから…。
急がなきゃ!
「黒城さん呼ぶね!皆、先生に言ってこよう!」
急げ〜〜〜〜!!!
車に乗って40分…。
式場に着いた。
「間に合ってよかったね!麗ちゃん!」
「羅糸ちゃん!一緒にお姉ちゃん見に行こう!!」
「うん!!」
八重ちゃん絶対に綺麗だろうな…。
ガチャ
「お姉ちゃん!」
「八重ちゃん!」
「すごく綺麗だよ!お姉ちゃん!」
八重ちゃんのウエディングドレス姿はとても綺麗だった。
こんなお嫁さんが貰える羅来兄はとても幸せだと思う。
式で、八重ちゃんがお手紙に、私のことを書いてくれていた。
ずっと可愛がってたわたしが妹になって嬉しい、立派にモデルのお仕事を果たしてて誇らしい…って、それを聞いて泣かないわけがなかった。
八重ちゃん大好き。
「素敵な式だったね。」
「うん。そうだね。」
支恩は、八重ちゃんに「羅糸をよろしく」って言われて気合満タンな様子だ。
「支恩、私のことよろしくね。」
「いきなりなんだよ。」
「ちゃんと支恩のお嫁さんにしてねってこと!」
「そんなの、当たり前だろ。」
当たり前って…嬉しい。
「今日のご飯何あるのかなー」
「ハンバーグあったらいいな。」
「ほんとにすきだね(笑)」
私たちは腕を組みながら二次会の会場へと向かった。
結婚式から1週間後。
今日は私のデザインした服の発売日だ。
この4.5ヶ月間、一生懸命準備したんだ。
絶対に喜んでくれるはず!!
ー発売から2週間後ー
タクシーに乗っていたらマネージャーから電話が来た。
プルルルルルルルルプルルルルルルルル
《はい…もしもしマネ…》
《ら、羅糸!!あんたの作った服全部売り切れたわよ!!》
《え!?ほんとにですか!?》
《ええ、ほんとよ!!!おめでとう!》
《ありがとうございます!!!》
《それでなんだけど、追加が決まったわ!》
《やったあ〜!!》
《じゃあ、新しいこと決まったらまた連絡するわね!ほんとに、おめでとう!》
本当に嬉しい。
頑張ってよかった…!!